【個人の税務調査の実例】急に多額の収入がある申告書を提出して税務調査に
今まで無申告であったのに急に数千万円の収入がある確定申告書を提出したことで
税務調査の対象となったことがあります。
※事実関係を変えています。
ずっと無申告だったが急に数千万円の申告
会社員として給料の収入の他に副業を行っていた者からご相談をいただきました。
数年前から副業として物品販売を行っていたとのことでした。
ですが、最初は収入が少ないことから確定申告をしておらず無申告となっていました。
お話を伺うと、昨年の1年分だけ確定申告書を提出したとのことです。
徐々に収入金額が増えてきてさすがに確定申告をしないとマズイと思われたのです。
今までずっと無申告だったのですが、急に売上金額が4・5千万円の確定申告書を提出したのです。
この納税者の方が取り扱っていたのは単価が高いモノであったので利益はそれほど無いのですがどうしても売上金額は高額となってしまっていました。
しばらくして税務調査の連絡がありました。
事前の対策
税務調査の事前対策として無申告となっていた期間の確定申告書を提出することにしました。売上金額が大きくなっていたので消費税の申告書も提出することになりました。
無申告ではあったのですが、過去の売上げや経費に関する資料はしっかりと保存されていたことから集計はそれほど時間をかけずに行うことができました。
1年分だけ確定申告書を提出した年分についてももう一度見直しをした結果、少し誤りがあったため修正申告書を提出することにしました。
税務調査の前に所得税と消費税の確定申告書を提出。売上げと経費に関する資料もすべて用意することができました。
急に申告した理由・無申告であった理由
税務調査当日は聞き取りが行われ資料を預けることとなりました。
この日はお昼ごろに終了となりました。
事業内容とともに確認されたのは「今まで無申告であった理由」と「1年だけ申告した理由」です。
1年だけとはいえ確定申告書を提出しているわけですから、確定申告をしなければいけないことは理解していたことになります。
それなのに過去が無申告となっていたのでその点を質問されました。
この点については言い訳をせずに事実を伝えました。
当初は収入が少なく利益も無かったため確定申告をする必要がないと思っていた。少しずつ取引が増えてきて利益は少ないが金額規模が大きくなってきたことで不安になり確定申告をした旨を伝えました。
税務調査の結果
税務調査の結果としては、税務調査前に提出した確定申告の内容でそのまま終了となりました。
- 売上げと経費の資料がしっかりと残されていた
- 事前に確定申告書を提出した
これらにより早期終了することができたと思われます。
このケースでは扱っていた商品がわかりやすいモノであったことも影響したと思われます。
調査官も容易にイメージできる取引であり、それほど利益が出ないだろうということをすぐに理解してもらえました。
売上金額は大きくなってしまうが利益は少ない、を理解してもらえました。
まとめ
- 無申告である場合は出来るだけ早めに確定申告書を提出する
- 売上げと経費に関する資料はできるだけ保存しておく
- 資料が無い場合は可能な限り再発行をしておく
- 無申告であった理由を説明できるようにしておく
これらが大切となります。
「今まで無申告だったのに急に確定申告したら怪しまれるかも」と不安に思われるかもしれません。
ですが、ずっと無申告でいるのはよくありません。
確定申告をしなければいけないことに気付いたら早めに提出するようにしましょう。
自分で確定申告書を作成することが難しい場合は税理士に相談することも検討してみてください。
私も確定申告や税務調査のご相談をお受けしております。
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税理士 内田敦 【個人事業主の税務調査専門】
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